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すぐ手が出てしまう子への関わり方|家庭と療育でできるサポート

2026/6/16

はじめに

「お友だちのおもちゃを取ってしまう」
「嫌なことがあると叩いてしまう」
「押したり、引っ張ったりしてしまう」
「注意するとさらに怒ってしまう」

このような姿に悩む保護者さまは多いと思います。

お子さまがすぐに手を出してしまうと、保護者さまはとても心配になります。
「お友だちを傷つけてしまったらどうしよう」
「園で迷惑をかけていないかな」
「しつけが足りないと思われるのでは」
と、不安になることもあるかもしれません。

でも、子どもが手を出してしまう背景には、言葉で伝える難しさ、気持ちのコントロールの難しさ、見通しの持ちにくさ、感覚の特性などが関係していることがあります。

手が出てしまう行動は、叱るだけでなく、
なぜその行動が出ているのか
どうすれば別の方法で伝えられるのか
を一緒に考えていくことが大切です。


すぐ手が出てしまうのはなぜ?

子どもが手を出してしまうと、大人は「悪いことをした」と行動だけを見てしまいがちです。

もちろん、叩く・押す・引っ張るといった行動は、相手を傷つける可能性があるため止める必要があります。

ただ、その行動の前には、子どもなりの理由があることが多いです。

たとえば、

  • おもちゃを使いたかった

  • 「貸して」と言えなかった

  • 嫌なことをやめてほしかった

  • びっくりした

  • 順番を待てなかった

  • 思い通りにならず悔しかった

  • 相手との距離感が分からなかった

  • 遊びに入りたかった

  • 気持ちが高ぶって止まれなかった

このように、手が出る行動は「困らせたい」からではなく、
気持ちや要求をうまく伝えられないサインであることがあります。


手が出やすい場面

お子さまが手を出してしまいやすい場面を知ることは、関わり方を考えるうえでとても大切です。

よく見られる場面には、次のようなものがあります。

  • おもちゃの取り合い

  • 順番を待つ場面

  • 遊びを中断される場面

  • お友だちが近づいてきた場面

  • 自分の思い通りにいかなかった場面

  • 疲れているとき

  • 人が多く刺激が強い場所

  • 初めての活動や不安が強い場面

  • 言いたいことが伝わらない場面

  • ルールが分からない場面

毎回同じような場面で手が出る場合は、事前のサポートや環境の工夫で防ぎやすくなることがあります。


手が出てしまう背景にあること

1. 言葉で伝えるのが難しい

「貸して」
「やめて」
「まだ使いたい」
「一緒に遊びたい」
「いやだ」

このような気持ちを言葉で伝えるのが難しいと、手が先に出てしまうことがあります。

特に小さなお子さまは、言葉の理解や表現が育っている途中です。

言いたいことがあるのにうまく伝えられないと、叩く・押す・取るといった行動になってしまうことがあります。

この場合は、手が出た行動を止めたうえで、
「貸してって言いたかったね」
「まだ使いたかったね」
「やめてって言おうね」
と、気持ちや言葉を代わりに伝えてあげることが大切です。


2. 気持ちのコントロールが難しい

子どもは、怒りや悔しさ、不安を感じても、それを自分で落ち着かせる力がまだ育っている途中です。

「嫌だった」
「悔しかった」
「取られたくなかった」
という気持ちが強くなると、考えるより先に体が動いてしまうことがあります。

このような場合は、落ち着いているときに、
「嫌なときは手ではなく言葉で伝える」
「困ったら先生や大人を呼ぶ」
という方法を練習していくことが大切です。


3. 相手との距離感が分かりにくい

お友だちと関わりたい気持ちはあるけれど、近づき方が分からず、押したり引っ張ったりしてしまうお子さまもいます。

本人は遊びに誘っているつもりでも、相手からすると急に触られてびっくりしてしまうことがあります。

この場合は、
「一緒に遊ぼうって言うよ」
「肩をトントンするだけにしよう」
「近づく前に名前を呼ぼう」
など、関わり方を具体的に教えていくことが大切です。


4. 感覚の受け取り方が関係していることもある

お子さまによっては、力加減が分かりにくかったり、体の距離感がつかみにくかったりすることがあります。

軽く触ったつもりでも強く押してしまう。
遊びの中で楽しくなりすぎて、力が入りすぎてしまう。
自分の体の動きを止めることが難しい。

このような場合、感覚統合の視点から体の使い方や力加減を育てていくことが役立つことがあります。

PAL PICNICでは、感覚統合をベースにした運動遊びを通して、体の使い方や力加減、気持ちの切り替えを支援しています。


手が出たときの関わり方

手が出てしまったときは、まず相手と本人の安全を守ることが最優先です。

そのうえで、長く叱るよりも、短く・分かりやすく・次の行動につながる関わりを意識しましょう。

1. まず止める

叩く、押す、引っ張るなどの行動が出たときは、まず安全に止めます。

「叩かないよ」
「押さないよ」
「手は止めるよ」

と短く伝えます。

このとき、強い口調で長く叱ると、お子さまの気持ちがさらに高ぶってしまうことがあります。

まずは安全を守り、落ち着ける状態をつくることが大切です。


2. 気持ちは受け止める

手が出る行動は止めますが、気持ちまで否定する必要はありません。

「使いたかったんだね」
「嫌だったね」
「悔しかったね」
「びっくりしたね」

と、気持ちを言葉にしてあげます。

大切なのは、
気持ちは受け止める。行動は止める。
ということです。

たとえば、
「使いたかったんだね。でも叩くのはしないよ」
「嫌だったね。押さずに“やめて”って言おうね」
のように伝えると分かりやすいです。


3. 代わりの伝え方を教える

手が出てしまう子には、「ダメ」と言うだけではなく、代わりにどうすればよいかを教えることが大切です。

たとえば、

  • 「貸して」と言う

  • 「やめて」と言う

  • 「まだ使ってる」と伝える

  • 大人に助けを求める

  • 順番カードを見せる

  • 少し離れて落ち着く

  • 手は膝に置く

などです。

言葉で伝えるのが難しい場合は、絵カードやジェスチャーを使うこともできます。


4. 落ち着いてから振り返る

手が出た直後は、お子さまも気持ちが高ぶっているため、長い説明は入りにくいことがあります。

少し落ち着いてから、短く振り返ります。

「さっきはおもちゃを使いたかったんだね」
「次は“貸して”って言おうね」
「嫌なときは先生を呼ぼうね」
「手ではなく言葉で伝えようね」

責めるための振り返りではなく、次に使える方法を一緒に確認する時間にしましょう。


家庭でできるサポート

1. 手が出やすい場面を知る

まずは、どんな場面で手が出やすいのかを見てみましょう。

たとえば、

  • 疲れている夕方に多い

  • おもちゃを取られたときに多い

  • 順番を待つ場面で多い

  • 初めての場所で多い

  • 兄弟との距離が近いと多い

  • 音や人が多い場所で多い

このように傾向が分かると、事前にサポートしやすくなります。

「この場面は手が出やすいかも」と分かっていれば、先に声をかけたり、大人が近くで見守ったりすることができます。


2. 使える言葉を先に練習する

困った場面になってから言葉を教えようとしても、気持ちが高ぶっていると難しいことがあります。

落ち着いているときに、使える言葉を練習しておくとよいです。

たとえば、

「貸して」
「あとで」
「やめて」
「いやだ」
「先生きて」
「まだ使ってる」
「一緒に遊ぼう」

などです。

言葉がまだ難しい場合は、身振りやカードでも大丈夫です。

大切なのは、手を出す以外の伝え方を持つことです。


3. 遊びの中で交代を練習する

家庭では、遊びの中で自然に交代の練習ができます。

たとえば、

  • ボールを交互に転がす

  • 積み木を1個ずつ積む

  • シールを交互に貼る

  • 絵本のページを順番にめくる

  • おもちゃをタイマーで交代する

「ママの番、次は○○ちゃんの番」
「終わったら交代ね」
と、順番を分かりやすく伝えながら行うとよいです。

交代できたときは、
「待てたね」
「貸せたね」
「順番でできたね」
と具体的にほめましょう。


4. 体を使う遊びを取り入れる

気持ちが高ぶりやすいお子さまや、力加減が難しいお子さまには、体をしっかり使う遊びが役立つことがあります。

たとえば、

  • クッションを押す

  • 布団の上でゴロゴロする

  • 動物歩きをする

  • 親子で手押し相撲をする

  • 重いものを運ぶお手伝いをする

  • 公園で体を動かす

体を使う経験は、力加減や体のコントロール、気持ちの安定につながることがあります。


5. できた行動を見つけてほめる

手が出てしまうお子さまは、どうしても注意される経験が増えやすいです。

だからこそ、手が出なかった場面を見つけて伝えることが大切です。

「今、言葉で言えたね」
「叩かずに待てたね」
「貸してって言えたね」
「先生を呼べたね」
「手を止められたね」

小さな成功を見逃さずに伝えることで、お子さまは「こうすればいいんだ」と分かりやすくなります。


園や外出先で手が出やすいとき

園や外出先では、家庭よりも刺激が多く、手が出やすくなることがあります。

人が多い、音が大きい、順番を待つ、思い通りにいかないなど、子どもにとって負荷が高い場面が増えるからです。

外出先では、手が出やすい場面の前に、

「順番で使うよ」
「貸してって言おうね」
「困ったらママを呼んでね」
「終わったら交代だよ」

と先に伝えておくと安心しやすくなります。

また、園で手が出ることが多い場合は、先生に具体的な場面を聞いてみましょう。

  • いつ手が出やすいのか

  • 誰との関わりで起きやすいのか

  • 何の活動中に多いのか

  • 直前にどんな様子があるのか

  • どんな声かけだと落ち着きやすいのか

こうした情報があると、家庭と園で同じ方向のサポートを考えやすくなります。


療育でできること

療育では、手が出る行動だけを見るのではなく、その背景を丁寧に見ながら支援していきます。

PAL PICNICでは、感覚統合をベースにした個別療育・小集団療育を通して、気持ちの伝え方、順番を待つ力、力加減、お友だちとの関わりを育てています。

1. 気持ちを伝える練習

「貸して」
「やめて」
「まだ使いたい」
「一緒に遊ぼう」

など、場面に合った言葉や伝え方を練習します。

言葉だけでは難しい場合は、カードや身振りも使いながら、お子さまに合った方法を探していきます。


2. 順番や交代の練習

小集団療育では、順番を待つ、交代する、お友だちの番を見るなどの経験を積み重ねます。

先生が間に入りながら、分かりやすく順番を伝え、短い待ち時間から練習していきます。

「待てた」
「交代できた」
「お友だちの番を見られた」

という経験を大切にします。


3. 力加減や体の使い方を育てる

感覚統合を取り入れた運動遊びでは、体の使い方や力加減を育てていきます。

トランポリン、ジャンボクッション、サーキット遊び、バランス遊びなどを通して、楽しく体を動かしながら、体のコントロールを促します。

力いっぱい動く経験と、止まる経験の両方を大切にしていきます。


4. お友だちとの関わりを経験する

手が出てしまうお子さまの中には、お友だちと関わりたい気持ちはあるけれど、関わり方が分からない子もいます。

小集団療育では、

  • 一緒に遊ぶ

  • まねをする

  • 応援する

  • 道具を渡す

  • 順番に活動する

  • 先生と一緒に言葉で伝える

といった経験を通して、少しずつ関わり方を学んでいきます。


保護者さまが一人で抱え込まなくて大丈夫です

お子さまが手を出してしまうと、保護者さまはとてもつらい気持ちになることがあります。

「また謝らなければいけない」
「周りからどう思われているのだろう」
「どうして何度言っても分からないのだろう」

そんなふうに感じることもあるかもしれません。

でも、手が出る行動は、保護者さまのせいだけで起きるものではありません。

お子さまの発達段階、言葉の力、感覚の受け取り方、環境の影響など、さまざまな要因が関係していることがあります。

大切なのは、一人で抱え込まず、相談しながらお子さまに合った方法を見つけていくことです。


まとめ

すぐ手が出てしまう子には、言葉で伝える難しさ、気持ちのコントロールの難しさ、相手との距離感の分かりにくさ、力加減の難しさなどが関係していることがあります。

手が出たときは、まず安全を守り、行動を止めたうえで、気持ちを受け止め、代わりの伝え方を教えることが大切です。

家庭では、

  • 手が出やすい場面を知る

  • 使える言葉を先に練習する

  • 遊びの中で交代を練習する

  • 体を使う遊びを取り入れる

  • できた行動を具体的にほめる

といった工夫が役立ちます。

PAL PICNICでは、名古屋市昭和区で児童発達支援・放課後等デイサービスを行っています。

感覚統合をベースにした運動遊びや個別療育・小集団療育を通して、気持ちを伝える力、順番を待つ力、力加減、お友だちとの関わりを育てています。

「すぐ手が出てしまう」
「お友だちとの関わりが不安」
「園でトラブルが多い」

という段階でも、見学・ご相談が可能です。

まずはお気軽にお問い合わせください。

☆TEL:052-990-9599(平日9:00~18:00)

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